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椎間板ヘルニア [病気について]

椎間板ヘルニアという病気をご存知でしょうか?

人の病気としても有名ですが、犬の病気としても非常にメジャーな病気です。
ただし、人の椎間板ヘルニアと犬のそれとは、かなり病態が異なります。

犬では、病気になる8~9割が、M.ダックスです。
他にはビーグルやフレンチブル、プードル、コーギーなどでもみられますし、
雑種でもなることはあるのですが、人気犬種も後押ししてダントツにダックスが多い病気です。

また、人と大きく異なるのはあまりに急激な発症の仕方をすることです。
さっきまで走っていたのに、次に見たときは両後肢がまったく動かず引きずって歩いてる、なんてことも珍しくありません。

そして、椎間板ヘルニアでもっとも恐ろしいのは、急激な発症をした子のうち5~10%くらいの確率で”脊髄軟化症”と呼ばれる病気を併発することがあるということです。この病気は脊髄に強い衝撃が加わることで、脊髄に負の連鎖反応が起こってしまい、脊髄がどんどん軟化(とけてしまう)していき、発症から7~10日程度で亡くなってしまう病気なのです。そんな怖い病気が椎間板ヘルニアと一緒に起こるということは知らない方が多いのではないでしょうか。

しかし、通常の椎間板ヘルニアは、軽ければ内科治療、重症なら手術で治る病気です。
(あまりに重症な場合は、後遺症が残ったり、一生麻痺が残る子もいます)

IVDD001.jpg今回紹介する子は、4日前に、急に後肢が動かなくなり、内科治療を受けるが反応が乏しかったために、本院に紹介されてきたM.ダックスです。

症状からも椎間板ヘルニアの可能性が非常に高かったため、その日に脊髄造影検査を行いました。この検査は本当にヘルニアがあるのか、あるならどこにあるのか、どの程度のものなのかを調べるために行います。
この結果をみて手術の必要性、手術する部位、術式などを決定します。

理想を言えば、CT検査やMRI検査も一緒にできるとより正確に評価できるのですが、ほとんどの子はこの検査で十分判定が可能です。何よりすぐに検査ができて、すぐに手術が可能なのが最大の利点です。
治療がうまくいくかどうかは、早く診断・手術が可能かどうかという点に大きく関わってきます。

IVDD003.jpg今回の子も、検査の結果腰椎の2番と3番間(L2-L3間)の右側に脊髄を圧迫する病変がみつかりました。




PB110079.JPG











この結果を受けてその部位の背骨を削り、飛び出している椎間板物質を取り除きました。

経過は良好で、手術翌日から後肢は動き始め、2日目にはふらつきながらも歩き始めました。

みんながみんなこのように良い反応が得られるわけではありませんが、後ろ足の麻痺が残ってしまう子は、その後の生活が非常に不自由になります。
できるだけ早く検査、手術することで、退院する時には元気に歩いて帰ってくれるとこちらもとってもうれしい気持ちになります。

この子ももうすぐ退院です。

門脈シャントってご存知ですか [病気について]

門脈シャントという病気を皆さんはご存知でしょうか?

胃や腸などから肝臓につながる門脈という大きな血管があります。胃や腸などで吸収された栄養や老廃物を肝臓に運ぶ血管なのですが、この門脈に生まれつき異常な血管(シャント血管)が形成されてしまったために肝臓に血液がうまく流れないのかこの病気です。

そのため、肝臓に栄養が流れないために、肝臓は小さく、体全体も小さい子がほとんどです。また、肝臓で代謝されるはずの老廃物も肝臓に流れず全身循環中にたまってしまい、肝性脳症と呼ばれる異常行動などを起こすこともあります。

先日この病気の子犬が来院しました。
とは言っても飼い主さんのおうちに貰われて来たので、まずはフィラリア予防をということでの来院でした。
しかし、あまりに体が小さい!元気や食欲に問題ないとのことですが、あまりに小さい!
ということで、避妊手術も考えていることもあり、血液検査をしましょうねと話していたのですが、検査に至る前に肝性脳症を起こし入院することになりそこで門脈シャントという病気が発見されました。

pss001.jpgこの病気は、ほとんどが生まれつき(先天性)のもので多くの場合は子犬で発見されます。
異常な血管がある限り内科治療では治ることはありません。

飼い主さんも非常に迷われましたが、手術で異常な血管を探し、その血管を遮断する手術をすることになりました。

手術は昨日行われ、開腹するとやはり大きなシャント血管が胃の裏側にありました。

まずはその異常血管を遮断して造影剤というレントゲンに映る液体を流しちゃんと肝臓に血液が流れるか確認します。




openclosed2[1].jpgその後、この子はいきなり異常血管を遮断する事には適さない状態でしたので、アメロイドリングと呼ばれる特殊なリングを設置しました。このリングは体の中でゆっくり膨張することで徐々に血管を塞いでくれるため、急速な血圧の変化を起こさずマイルドに血管をふさいで行ってくれます。

pss002.jpg

無事に手術を終えてこれで正常な血流になってくれます。後はその血流に肝臓がしっかり耐えてくれれば元気に一生を全うできるはず。

がんばれ肝臓!!



子犬を飼い始めた方、他の子よりもあまりに体が小さかったり、行動がなんかおかしかったり、そんな時は必ず病院を受診してみて下さい。早期発見がとても大事な病気です。

夏は異物の誤飲に注意 [病気について]

ワンちゃんが、串を食べた、お金を食べた、プラスチックのおもちゃを食べた、ビー玉を食べた、釣り針を食べたなどの誤飲症例が増えている気がします。
食べても害のないものであれば良いのですが、消化できないようなもの、丸い物、長いものなどは、腸に詰まってしまい手術になる事も少なくありません。

本院では、食べた直後で吐き出せるようなものであればまずお薬で吐かせます。とても刺激の少ない薬を使いますので吐かせてもその後調子を崩すようなことはないので、これで済めばラッキーです。
次に、吐き出せないような物や時間がたっているが胃の中にあるものであれば、内視鏡で取り出します。全身麻酔は必要ですが、どこも切る必要がないので麻酔がさめればすぐに帰れます。これもラッキーな方ですね。
最後は腸まで進んで詰まったものはお腹を開けるしかありません。最低三日は入院が必要になるでしょう。

夏はお祭りやイベントが多いためか、トウモロコシの芯、竹串、スーパーボール、桃の種などを腸に詰まらせてしまう機会が増えます。くれぐれもご注意ください。

諦めなくてよかった話 [病気について]

本日退院するワンちゃんの話です。

食欲がなくなり、下痢やおう吐があるとのことで来院した子ですが、お腹の中に大きな腫瘍がみつかりました。CTなどの検査をした結果、腫瘍は腸管から発生している可能性が高く、大きさもバレーボールくらいの大きさに成長していました。切除不可能な場所での発生や大事な血管を巻き込んでいる可能性もあり、手術でとれるかとれないか、50%50%(むしろ取れない可能性のが高いと推測されました)というような状況を飼い主様にお話しました。wada mac2-P0001.jpg

手術で治ると分かっていれば多くの飼い主様は手術を選択するでしょう。しかし、手術してみないと取れるのか、取れずにお腹を閉じるだけになるのか分からないという状況では、多くの飼い主様は迷われ、手術を選択しない方も多くいらっしゃいます。wada mac2-P0002.jpg

そのような状況の中で、手術を選択し、結果として無事に切除することができました。腸から発生した腫瘍は、腸に穴をあけ、便がお腹の中に漏れ出して腹膜炎を起こし始めている状況でした。本日元気に飼い主さんと帰る姿をみて、手術の決断をしてくれた飼い主さんに本当に感謝しながらお見送りしました。

切除できずに閉腹しなければならない子も当然いるのですが、今回のようにとても大きな腫瘍であっても、獣医師も飼い主も諦めずに治療にあたることは大事だと改めて感じることとなりました。


ヤマヒル被害 [病気について]

 皆さんはヤマヒルをご存じでしょうか?
 本院にも数頭の子が、散歩中にヒルに吸血されて、なかなか出血が止まらず来院されました。

 ここ数年、山奥にしかいなかったヤマビルがふもとまで生息域を拡大し、住民やハイカーが 吸血される被害が丹沢をはじめ全国各地に広がっている話は聞いていました。特に丹沢は多いと聞いていましたが、通常の散歩で吸血される子がいるとはあまり考えていませんでした。

 ヤマビルはミミズの仲間で体長3~5センチ。活動期は5~10月。人や野生動物の血を吸い、 その吸血量は蚊やダニなどの5~10倍になります。雨や雨上がりの日に地面に出て待ち伏せし、かまれてもほとんど痛みを感じず、出血が1時間以上続くケースも多いと言われます。

 実際来院した子も、痛みはなく、ヒルはすでにいなくなっており、吸血後から血が止まらない事を主訴に来院されます。ヒルは効率よく血を吸うために、血が固まらない物質を出しながら血を吸うためにこのような現象が起こります。また、吸血中のヒルを見つけた場合は、無理にとると牙が残るので、アルコールやたばこの火、木酢液などで弱らせて落とした方が良いようです。昔の映画、ランボーとかでは、スタローンがナイフで吸血するヒルを何匹もとっていましたが、そのようなやり方はお勧めしません。
 出血は本当になかなか止まらないので、その場での応急処置としては、出血点を見つけてガムテープでも良いので止血して病院に来ていただくことをお勧めします。

 雨上がりの山のふもとのお散歩、落ち葉が多いようなところでの散歩には、特にご注意ください。

追伸:昨日の朝、三羽のツバメのヒナが無事に巣立ったようです。今年も気付いたら居なくなっていたので感動のお別れはありませんでしたが、カラスにも襲われず、元気に育ってくれたのでホッとしているところです。皆様のご協力、ありがとうございました。



最近の猫の感染症 [病気について]

 次に冬の感染症といえば、やっぱり猫風邪と呼ばれるウイルス感染が多いかと思われます。眼ヤニやくしゃみ、鼻水、発熱などを主症状とする感染症ですが、ワクチン接種によって発症を軽く抑えられるウイルス感染ですので室内・室外関係なく予防接種が大事な感染症です。が、ここ数年はワクチン接種をしていても症状がけっこうしっかり出てしまうウイルス株や目や鼻の症状よりも胃腸に症状がでるタイプなども流行っているような印象を受けています。人のインフルエンザもそうですが、ワクチンはその病気すべてを防いでくれるというわけではありません。間違いなくワクチンは打っておいた方が安心であることは明らかですが、完璧ではないがために我々もより良いワクチンを選定したり、より効果的な接取法を模索したりするわけです。
 
 ワクチンの話のついでに、最近のトピックスですが、FIV(俗に猫エイズと呼ばれるウイルス感染症)のワクチンが去年発売されました。これはとても画期的なことなのです。

 数年前に発売されたFeLV(猫白血病ウイルス)のワクチンにも言えることですが、FIV,FeLVといったレトロウイルスと呼ばれるウイルスに対するワクチンが発売されるとは私が学生の頃は考えられませんでした。これらのウイルスは猫の細胞の遺伝子の中にあたかも自分も仲間だというような顔をしてもぐりこんでしまい、さらに次から次に形を変化させてしまうため、感染を防いだりやっつけたりすることが非常に難しいウイルスなのです。人エイズHIVのワクチンがまだできない理由もそこにあるのです。よってこのようなワクチンが開発されてFIVやFeLVの脅威が少しでも減ってくれることを期待したいものですが、まだまだ問題はたくさん残っているのも事実です。

 これらのワクチンは発症防止ではなく、感染自体を防御しないと意味がないのでその効果は現状では70~80%といわれています。また、ワクチンの出現による検査キットの混乱やこれらのワクチンが一番必要となる外にいる猫たちにこれらのワクチンが広がらない事など、問題は山積です。ただ、画期的なワクチンであることには間違いないし、大きな前進でもあると思います。

また10年後にはこれらのウイルス感染が過去の病気といえるような進展があることを期待したいものです。

最近の犬の感染症 [病気について]

先日、立て続けてマダニの寄生が確認されました。マダニ.jpg
冬もマダニやノミの寄生があることは知られていますが、虫たちはみんな活動をやめている2月の真冬日に、そのマダニにお目にかかるとは・・・、すごい生命力だと感心してしまいます。温暖化が叫ばれるこのご時世だからこそなのかもしれませんが。
私としては理想のノミダニ予防は通年ですが、現実的にはコスト的な問題もあり4月~11月くらいまでの予防をお勧めしてきました。しかしながら特例として、過去にノミの発生があった子や山や草むらが大好きは子はやっぱり通年の予防を勧めるべきですね。

また、コクシジウムやパルボウイルスといった下痢や嘔吐を引き起こす感染症も流行がみられます。どちらも子犬で発生した場合、早期に治療を行わないと命にも関わる病気です。体力の少ない、子犬や高齢犬での下痢や嘔吐には注意し、早めの受診をお勧めします。さらに困ったことにこれらの感染源は環境中で強い抵抗力をもつためしっかりと排泄物を片付けて消毒する必要があります。またパルボウイルスはワクチン接種が十分に(2~3回)行われていれば予防が可能なウイルスです。早期の糞便検査、しっかりと予防接種を心がけましょう。
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